事務所便り記事
 
 
 
 
 

最近,提携リース被害について新たなタイプのものが問題になってきていますので,今回は,それらについてご紹介します。

従来は,悪質リース商法は,中小企業者などを比較的無差別にターゲットにしてきました。

ところが,最近問題になってきているのは,各業界に特化した被害です。

現在のところ私が知っている範囲では,特許申請などを行う弁理士,歯科医師,整骨院の各業界をそれぞれターゲットにした被害が明らかになっており被害額も1000万円を超えるなど高額です。

弁理士をターゲットにした被害は,特許管理ソフトを開発したコスモテックという会社が,歯科医師をターゲットにした被害は集客システムのジートルというものを扱うアルファラインという会社が,整骨院をターゲットにした被害は,レセプト(診療報酬明細書)作成ソフトを開発したワールド情報サービスが,それぞれ販売店です。

これらの被害の一番の特徴は,販売店がユーザーに言葉巧みに空リースを持ちかけるというところにあります。

空リースというのは,リース物件が存在しないか価値の低い名目上の物件を使用してリース契約を締結させ,販売店がリース会社から不当に売買代金を取得する不正取引です。

販売店はユーザーをこのような取引に引き込むためにリース料のキャッシュバックを約束したりするのですが,販売店の資金繰が破綻してキャッシュバックの支払いが止まると,ユーザーは損害を被ることになります。

ユーザーが,リース会社に対して支払いを拒絶しようとしても販売店と共謀してリース会社からお金をだまし取ったと主張されてしまいます。

もうひとつの特徴は,これらの販売店が,過去には,業界で代表的なソフトを開発,販売するなどして信用があったということです。

弁理士さんや整骨院は,その信用に騙されたのでしょうが,キャッシュバックをうたう取引には十分な注意が必要です。

平成27年4月

業界別リース被害とは

 
 

<< 前へ

次へ >>