事務所報第6号(平成27年4月)で,業界別リース被害についてお知らせし,弁理士,歯科医師,整骨院の各業界をそれぞれターゲットにした被害を解説しました。
最近,問題になっているのは,ゴルフのレッスンプロを対象にしたリース被害(クレジット被害もあります)です。
これは,ゴルフスタジアムという会社が,ゴルフ教室を営むレッスンプロに対して,無償でホームページを作ることを勧誘し,その際に300万円以上の価格で,ゴルフスイング撮影解析ソフトのリース契約(またはクレジット契約)の締結をさせたというものです。
このときにゴルフスタジアムは,リース契約等の月々の支払と同額で,レッスンプロのホームページにゴルフスタジアムの広告を掲載する契約を締結します。
これによって,リース料等はゴルフスタジアムがレッスンプロに支払う広告料でまかなわれることになり,レッスンプロには経済的負担がないことになります。
このような契約は,ゴルフスタジアムが目先の資金調達のために行うものです。
名目上のリース物件等として扱われるゴルフスイング撮影解析ソフトは,ほぼ無価値ですが,この契約によって,ゴルフスタジアムには,リース会社やクレジット会社から300万円以上のお金が一括で支払われ,同社はこれを自社の運転資金に使用できます。
ゴルフスタジアムが,レッスンプロに対して支払う広告料は,月々の支払ですので,経営内容が向上すれば,支払が可能でしょうが,このような方法で資金調達をするということは,経営が厳しく,銀行から普通に借入をすることができない状況だと推測されます。
案の定,ゴルフスタジアムからレッスンプロに対する広告料の支払が停止され,契約をしたレッスンプロたちは,自己資金でリース料等の支払をしなければならなくなっています。
ゴルフスタジアムとの広告料の支払契約を理由としてリース料等の支払を拒否することが難しいのは,以前に,業界別リース被害について解説したこととほぼ同じです。